棉の糸紡ぎ

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今日、陣嶺館に諏訪と辰野からお客さまがいらっしゃいました。
自宅で育てた棉(ワタ)をどうにか糸にしたいということです。

江戸時代頃から温暖な地域で棉の栽培が盛んとなり、ようやく木綿が普及することとなりました。
飯島町では明治の初め頃に棉を栽培していたようですが、
大きな産業にまでは育たなかったようです。

さて、糸づくりの工程ですが、
晩秋にはじけた棉の実を収獲し、種と繊維にわけます。
これを「綿くり」と呼び、専用の道具を使います。
ハンドルをぐるぐると回しながら棉の実をかませると、
あら不思議、種は手前に落ち、繊維だけが溜まっていきます(一番上の写真)。
これが「綿」です。

次に、綿の繊維をほぐします。
この作業を「綿打ち」と呼び、弓の弦をはじくことで繊維をほぐしていきます。
この作業はとても不思議な感触で、固まっていた綿(二番目の写真)が
みるみるうちにほぐれていきます。(三番目の写真)

その後に「しの」を作り、糸紡ぎに入ります。
糸車を使った糸紡ぎは難しいということで、紡錘車(ぼうすいしゃ)を使っての糸紡ぎです。
この紡錘車の形は弥生時代の遺跡からも見つかっているものです。

四番目の写真は一生懸命紡いでいる様子。
軸を回転させ、糸に撚りを掛けながら引き出す…という単純な作業ですが、
なかなかタイミングと力加減が難しいようです。
それでも、しっかりとした糸になりつつあります。

綿繰り機以外は身近な材料で作ることができ、そこから糸が生まれることにびっくり!

今回のレクチャーは駆け足でしたが、実際に体験したことでおおまかな行程は
判っていただけたようです。

また是非お出でください。お待ちしています。