背守り

 
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今日は五月五日 端午の節句です
 
写真は男の子のお宮参り用の晴れ着です
昭和のものなので、懐かしい方もいらっしゃるのではないでしょうか
 
着物には男の子の健やかな成長を願って
兜や矢羽など勇壮な図柄が並んでいます
 
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後ろ身頃の背の中心にはなぜか縫い目が…
そして長い糸が垂れています
 
これらは子供を魔物から守るためにつけられた「背守り」のひとつです
大人の着物には背中に縫い目があるのですが、子供の着物には縫い目がありません
縫い目がないことは「魔がさす」といわれ、魔物が入り込まないように背守りをつけました
縫い残りの糸は長く垂らし、魔よけとしました
 
万が一子供が魔物にとられても、この背守りの糸をつかんで、
神様が引き戻し、命を守ってくれると言われていたようです
 
現代と違って、子供が育ちにくい江戸時代から昭和の初めごろまで、
母親がひと針、ひと針、わが子の無事の成長を願い、祈りを込めて縫った背守り
次世代へ伝えていきたい習慣です